友意白雑記帳

だいたい自分用の覚え書き

2023年10月30日の雑文

数理モデル化能力。

私自身が研究を通じて体得した汎用技能の一つに、数理モデル化がある。優れた数理モデルとは、ノイズとなる情報、枝葉末節を切り落としつつ、注目している問題の本質だけは損なうことなく取り入れている。この数理モデル化能力は、理論物理学だけではなく、むしろ実社会で直面する様々な問題を解決するための助けにもなる。学部および大学院レベルの教育活動において、私は特に数理モデル化の重要性とノウハウ、それを評価・改善する数理科学的なアプローチ、そして広範な応用可能性も併せて、学生に伝授していきたい。また、自身の研究成果をしっかりと社会に発信し、物理学が人類社会に貢献できることを伝えていきたい。

 

自然科学は試行錯誤の繰り返しである。間違えることがある意味で評価されるようなカリキュラムを構築したい。特に初等教育において、自然科学の探求に必要なマインドセットを可能にしたい。

 

比較対象をとることのメリット。現在主流となっている知識や理論は、しかし実際には、いくつかの競合相手との切磋琢磨の末に、生き残ったものである。

 

工夫1.講義と演習の峻別。講義においては、途中式の板書などに気を取られて、、、、

 

その是非は別として、わが国においても、将来は他言語話者との交流・協同がますます一般化していくと考えられる。教育内容においても相応のアップデートが求められるであろう。

他言語話者との交流を妨げる最大の障害は「言葉が通じないくらいでコミュニケーションを諦めてしまう先入観」である。私個人の海外経験から実感したこととして、日本出身者はこの先入観に捉われている傾向が強い。理由を推察するに、その半分はわが国の地理的条件、もう半分は教育の産物である。

言葉は伝わらなくても意思を伝達する手段を見出そうとする姿勢が、自然に身についてきたのだと考えられる。この点、数学という第二の共通言語が使える物理学のコミュニティーでは、他言語話者との協同は比較的容易とも考えられる。閑話休題。たしかに孤立系である日本語圏の出身者にとっては、英語が世界標準になってしまったこと自体は不運かもしれない。