友意白雑記帳

だいたい自分用の覚え書き

量子コンピュータのオンライン講演感想

先日宣伝した下記のWebセミナーを聞いたので、感想&忘備録を残しておきたいと思います。

宣伝・オンライン講演「量子コンピュータ実用化に向けて」 - ともいしろの雑記帳 (hatenablog.com)

 

内容(抜粋)

印象的だった内容のメモ。こういうセミナーでは、自分の場合、A4用紙一枚とペンだけ持って参加します。当然ながら講演内容全部をカバーしているわけではないのでご注意を。

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セミナー視聴時のメモ

雑感

今のコンピュータ業界なら人工知能と並んで最熱のトピックであるのは明白。特に過去5年くらいでの進歩が凄まじい。お金もじゃぶじゃぶ投入されてる。あと、この分野だと、大学とか公的研究機関よりも、民間企業の方が主導権を握っているのが特徴的。

物理学や化学にとっての恩恵を考えるなら、量子コンピュータという、便利で強力な道具が一つ増えたのだな、という印象。RPGでいうなら、ロングソードからエクスカリバーに持ち替えるようなもの。ただし、どんな名剣でも「剣以上の使い方は(普通は)できない」点は覚えておくべき。あくまで道具は道具。傷を治したかったら剣ではなく薬草を買え。高性能な計算機を使うのはいいが、何を計算して、何を明らかにしたのか、という点もやっぱり重要。

黎明期には、量子コンピュータは夢と希望に満ちた話だったのかも知れない。しかし現在、色々と研究が進んで、エラー訂正問題とか実装方式問題とかが浮き彫りになって、一筋縄ではいかなくなってきた感じがする。「とにかく量子コンピュータ使えば万事上手くいく!」なんて話では決してない。科学の世界ではこういうのは結構ある。

  • 抗生物質。昔は万能薬ともてはやされていたが、耐性菌という新たな脅威も出現。
  • 原子力。マジでかつては「夢のエネルギー」と期待されていたらしい。アメリカだと子供向けの理科玩具に放射線源が付いていた。

量子コンピュータはこれらと違って、ヒトや社会に実害があるわけではない。ただし、使い方に相応の熟練と注意が必要なのは同じ。あと、色々と課題が出てきた今のような状況は、研究者にとっては逆にチャンスでもあるかも。