友意白雑記帳

だいたい自分用の覚え書き

「《Black Lotus》が1億円突破」に関して

今回の経緯

マジック・ザ・ギャザリングというカードゲームがあります。日本の方だと、遊戯王のカードゲームの原型になったもの、と言えば、だいたいどんなゲームか想像していただけるかと。

マジック:ザ・ギャザリング - Wikipedia

そのマジック・ザ・ギャザリングにおいて、最高峰の希少価値を持つカードが《Black Lotus》です。そして最近、その一枚が海外のオークションに出品され、一億円を突破したそうです。

カードの王《Black Lotus》1億円を突破 世界に7枚しか存在しない逸品(KAI-YOU.net) - Yahoo!ニュース

ちなみに、このゲームのカード1枚の重さがだいたい1.7グラムなので、《Black Lotus》様のグラム単価は約5700万円となります。参考までに、純金のグラム単価が約7000円で、《Black Lotus》の一万分の一です。

どんなカードなの?

詳細は上記のリンクを参照されたいのですが、ものすごく簡単に言うと、「本来4ターン目にならなければ使えないはずの呪文を、最初のターンに使えるようになる!」のが《Black Lotus》の能力です。このマジック・ザ・ギャザリングというゲームでは、ターンが進むほど、強力な呪文が使えるように設定されています。4ターン目ともなると、勝敗を決定付ける呪文が飛び交うことも普通です。そんなアクションを最初のターンに可能にしてしまうのは、ハッキリ言って極悪、バランスブレイカーと言えます(個人の感想です)。

そんなに高いんなら、《Black Lotus》は強いんでしょ!?

そうとも言えないのが不思議なところ。仮に、《Black Lotus》だけのデッキを組んだとしたら、「絶対に勝てない」デッキになってしまいます。《Black Lotus》自体には、このゲームの勝利条件を達成する能力はありません。ただし、他のカードをサポートするカードとしては、《Black Lotus》は唯一無二の存在です。

尚、マジック・ザ・ギャザリングにおける最強カード9枚は「パワーナイン」と総称されており、《Black Lotus》はその筆頭です。しかし、やはり「パワーナイン」だけでデッキを組んだ場合でも、「絶対に勝てない」デッキになってしまいます。本当に不思議なゲームです。

ものの価値とは?

さて、ここまで来ると、「ものの価値・値段」という概念が激しく揺さぶられます。単なる紙切れにインクで何かが描かれているだけのモノが、数億円の貨幣を動かす。物理学の世界で似たような話だと、アインシュタイン博士が日本の帝国ホテルに滞在した際、ベルボーイさんにチップ代わりに手渡したメモに、約2億円の値が付いたことがあります。

アインシュタインの「幸福論」、約2億円で落札 帝国ホテルでチップ代わりに - BBCニュース

こういう事例を見ると、結局のところ、価値とは一種の信仰でしかないのだと痛感します。《Black Lotus》だって、アインシュタインのメモだって、仮にその由来を知る人々が絶滅してしまったら、数グラムの紙切れでしかないわけです。

余談の一言

なんで20年前に近所のカードショップで買っておかなかったんだぁぁぁぁ!!!(当時は100万円。)

公務員はオークション下手と判明!談合に慣れきってるせい? – ニュースサイトしらべぇ