ともいしろの雑記帳

クロアチア在住研究者の日記

サクナヒメ、ハーバー・ボッシュ法、人口爆発。

キッカケは今話題の稲作ゲームでした。

www.marv.jp


ゲーム自体は未プレイですが、農業とか食糧問題とか、興味が沸いて調べたんですよ。そしたら「ハーバー・ボッシュ法」のチート性能にたどり着きました。

ハーバー・ボッシュ法 - Wikipedia


さて突然ですが、
(1)農業では肥料が欠かせません。なんで?
(2)雷のことを「稲妻」とも呼びます。なんで?
(3)輪作式農業では、マメ科の作物をサイクルに含むことが多いです。なんで?
↑これら全部、「窒素固定」がキーワードになっています。

当たり前ながら、農作物は生物なので、その生育には様々な窒素化合物が必要です。しかし大気中の窒素分子は、化学反応しないので利用できません。なので作物がすくすく育つには、土壌中に反応性の高い窒素化合物が含まれていなければなりません。肥料、稲妻、マメ科植物は、この窒素化合物を供給する能力があります。

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世界人口の推移。横軸は西暦、縦軸は世界人口(単位は1億人)。

んで、ハーバー・ボッシュ法(1906年)は、大気中の窒素分子からアンモニアを合成できます。しかも超大量に。そしてアンモニアからスタートして、大量の化学肥料が生産できます。これによって、人類が養える人口は飛躍的に増大しました。添付したグラフを見ると、西暦1900年からの人口増加がエライことになっています(グラフは国連さん等のデータから作成)。

現代の農業は「大気中の窒素を作物に変換する」プロセスです。稲妻とか輪作とかウン■とかでチマチマやってた中世式農法とは完全に別物です。ちなみに、自分は高校生の頃にハーバー・ボッシュ法は習ったのですが、当時はこんなリアルチートだとは認識できませんでした。なんでよりによって激臭物質アンモニアを量産したいのか、全く理解できなかった、、、。

そんなわけで、オレの中の「20世紀最大の発明」ランキングの1位がついに入れ替わりました。「水と空気と石灰からパンを作る」って、本来は神様の専売特許だと思う。

 

余談(1)
ハーバー・ボッシュ法に続く2位は「ペニシリン」です。こいつも大概チート。

余談(2)
Wikipediaの記事にもありますが、ハーバー・ボッシュ法は「平時にはパンを、戦時には火薬を」作り出す方法です。アンモニアからは化学肥料と同時に、火薬も合成できます。ちなみに、ハーバー・ボッシュ法以前には、実は火薬を安定供給するのは結構難しかった。大砲撃つのに、ウン■が大活躍しました(肥料と同じ)。ちなみに、中世イタリアのいくつかの都市では、火薬という最重要軍事物資のために、トイレの管理がかなり厳重だったそうです。