友意白雑記帳

だいたい自分用の覚え書き

Standard sample of plotting script for GNUPLOT

#---Line styles
set linestyle 91 lc "purple" lw 2 dt 1
set linestyle 93 lc "blue"   lw 2 dt 2

#---Setting options
set key right top
set xlabel "E  [MeV]";  set xtics 0,5,100
set ylabel  "dB_{M1}/dE  [{/Symbol m}^2_{N}/MeV]"
set size 0.7,  1.2
set label 3511 "^{116}Sn"  at  1,47
set label 3512 "^{120}Sn"  at  1,27
set label 3513 "^{124}Sn"  at  1, 7

#---Plotting
p [0:16][] \
"./WGS1_116Sn_DDPC1_D1S/UX5_Goger_all.out" u 1:($4+40) w l ls 91 ti "DD-PC1 + D1S", \
"./WGS3_116Sn_DDPC1_ZM3/UX5_Goger_all.out" u 1:($4+40) w l ls 93 ti "+ ZM3", \
"./WGS1_120Sn_DDPC1_D1S/UX5_Goger_all.out" u 1:($4+20) w l ls 91 ti "", \
"./WGS3_120Sn_DDPC1_ZM3/UX5_Goger_all.out" u 1:($4+20) w l ls 93 ti "", \
"./WGS1_124Sn_DDPC1_D1S/UX5_Goger_all.out" u 1:($4+ 0) w l ls 91 ti ""

#--- Unsetting
unset label 3511
unset label 3512
unset label 3513

「《Black Lotus》が1億円突破」に関して

今回の経緯

マジック・ザ・ギャザリングというカードゲームがあります。日本の方だと、遊戯王のカードゲームの原型になったもの、と言えば、だいたいどんなゲームか想像していただけるかと。

マジック:ザ・ギャザリング - Wikipedia

そのマジック・ザ・ギャザリングにおいて、最高峰の希少価値を持つカードが《Black Lotus》です。そして最近、その一枚が海外のオークションに出品され、一億円を突破したそうです。

カードの王《Black Lotus》1億円を突破 世界に7枚しか存在しない逸品(KAI-YOU.net) - Yahoo!ニュース

ちなみに、このゲームのカード1枚の重さがだいたい1.7グラムなので、《Black Lotus》様のグラム単価は約5700万円となります。参考までに、純金のグラム単価が約7000円で、《Black Lotus》の一万分の一です。

どんなカードなの?

詳細は上記のリンクを参照されたいのですが、ものすごく簡単に言うと、「本来4ターン目にならなければ使えないはずの呪文を、最初のターンに使えるようになる!」のが《Black Lotus》の能力です。このマジック・ザ・ギャザリングというゲームでは、ターンが進むほど、強力な呪文が使えるように設定されています。4ターン目ともなると、勝敗を決定付ける呪文が飛び交うことも普通です。そんなアクションを最初のターンに可能にしてしまうのは、ハッキリ言って極悪、バランスブレイカーと言えます(個人の感想です)。

そんなに高いんなら、《Black Lotus》は強いんでしょ!?

そうとも言えないのが不思議なところ。仮に、《Black Lotus》だけのデッキを組んだとしたら、「絶対に勝てない」デッキになってしまいます。《Black Lotus》自体には、このゲームの勝利条件を達成する能力はありません。ただし、他のカードをサポートするカードとしては、《Black Lotus》は唯一無二の存在です。

尚、マジック・ザ・ギャザリングにおける最強カード9枚は「パワーナイン」と総称されており、《Black Lotus》はその筆頭です。しかし、やはり「パワーナイン」だけでデッキを組んだ場合でも、「絶対に勝てない」デッキになってしまいます。本当に不思議なゲームです。

ものの価値とは?

さて、ここまで来ると、「ものの価値・値段」という概念が激しく揺さぶられます。単なる紙切れにインクで何かが描かれているだけのモノが、数億円の貨幣を動かす。物理学の世界で似たような話だと、アインシュタイン博士が日本の帝国ホテルに滞在した際、ベルボーイさんにチップ代わりに手渡したメモに、約2億円の値が付いたことがあります。

アインシュタインの「幸福論」、約2億円で落札 帝国ホテルでチップ代わりに - BBCニュース

こういう事例を見ると、結局のところ、価値とは一種の信仰でしかないのだと痛感します。《Black Lotus》だって、アインシュタインのメモだって、仮にその由来を知る人々が絶滅してしまったら、数グラムの紙切れでしかないわけです。

余談の一言

なんで20年前に近所のカードショップで買っておかなかったんだぁぁぁぁ!!!(当時は100万円。)

公務員はオークション下手と判明!談合に慣れきってるせい? – ニュースサイトしらべぇ

 

 

雑記まとめ【2021.01.11-17th】

【1月13日】艦これイベント終了

昨年末からやっていた艦隊これくしょんのイベントが閉幕しました。私自身は何とか最高難易度でクリア出来ました。

艦これ2020冬E4甲最終(Kankore 2020 Winter E4-KOU Final) - YouTube

しかしこのゲーム、リリースから7年が経っていることもあり、古参と新規プレイヤーで絶望的なまでのギャップが開いてしまっております。比較的初期から遊んできた私とかは良いんですが、今から始めたい人がいたとしても、おいそれとはおススメしにくいのが正直なところです。過去のイベントを復刻&未所持のプレイヤー限定で当時と同じクリア報酬を配布、などの救済措置が無い限り、コンテンツとしてはどんどん萎れていってしまう可能性が否めません。

【1月15日】①クリスマスモード終了

Zagrebのクリスマスも遂に終了です。以前にも書きましたが、クロアチアは日本と違い、クリスマス→お正月へのモードチェンジが無い分、クリスマスツリーも長期間展示されるのですが、本日遂に撤去されておりました。

f:id:Tomoishiro:20210118203253j:plain

Zagreb大聖堂前から撤去されるツリー。

ちなみに前日までの雄姿がコレ↓昼間だと地味ですが、夜はライトアップされて結構綺麗です。

f:id:Tomoishiro:20210118203434j:plain

撤去前日の遺影。

ちなみに、昨年末に撮影したZagrebのクリスマスの様子はYouTubeにも保存しておりますので、よかったらどうぞ↓

12月のザグレブ - YouTube

【1月15日】②面接試験

この日はもう一つイベントがありまして、とある大学の助教ポストを懸けた面接試験に臨んでおりました。だいたい90分くらいかかって、模擬授業→研究計画紹介→質疑応答という流れでした。まぁまぁ手応えがありましたが、さてはてどうなることやら。

【1月16日】”性別”百花斉放の時代

こちらで流行っていると聞いたマッチングアプリ(ひと昔前だと出会い系アプリ)を、ものの試して始めてみました。んで、よくある個人プロフィールを入力するんですが、その時に面白かったのがコレ↓

f:id:Tomoishiro:20210118205438p:plain

某マッチングアプリの入力画面

不勉強なことに、上4個しか意味が分からなかった。同時に、これだけの配慮をしている点は、運営を尊敬する。

 

Scopusを使った業績リストの作成&引用分析

Scopusはオランダの学術出版社であるElsevier社が提供している学術情報データベースです。研究者にとって自分の業績の管理は重要な仕事ですが、今回、Scopusを利用した方法が個人的にとても便利だったので紹介。

 

https://www.scopus.com/search/form.uri?display=basic

まずは上のリンクからScopusのホームにアクセスし、メールアドレスとパスワードを登録してアカウントを作成。ちなみに日本語以外にも英語や中国語が使えます。

そしたら自分の論文を検索。タイトルを打ち込むか、あるいは業績の多い方なら、「著者検索」から一覧で探した方が手っ取り早いかも。

f:id:Tomoishiro:20210110203253j:plain

 

ヒットした文献を「リストに保存」します。リストが無い場合はここで作成しろと言われます。私は「My_publications」という名前でリストを作成。

f:id:Tomoishiro:20210110203454j:plain

 

一通り自分の業績をリストに登録完了。

f:id:Tomoishiro:20210110203522j:plain

 

リストを開き、「すべて」にチェックを入れた後に、「・・・」の項目から「引用分析」を実行。

f:id:Tomoishiro:20210110203704j:plain

 

こうして分析結果が表示されます。オプションとして、self citationsを除外したりも出来ます。

f:id:Tomoishiro:20210110203832j:plain

 

特に自分の論文の引用数をどこかに報告する際には便利そう。

2020年12月まとめ

お久しぶりです。諸事情により更新が滞っておりました。12月ももう終わりということで、今月の出来事を早足で振り返っていこうと思います。

12月2日、雪が降る

この冬初めての本格的な雪でした。街中のロマンティックレベルが五割増し!そして地面はトゥルントゥルン♪(2回転びました。)

f:id:Tomoishiro:20201230063844j:plain

f:id:Tomoishiro:20201230063816j:plain

 

12月5日、超濃霧

Zagrebは冬は霧の都になります。今年は特に霧が濃い日が多かったです。写真を見ての通り、霧の中の大聖堂はかなりおどろおどろしい雰囲気になります。

f:id:Tomoishiro:20201230063024j:plain

f:id:Tomoishiro:20201230063057j:plain

12月6日、朝市

Zagrebの日曜日の名物が朝市。今年はコロナのせいで広場に入れる人数に制限がかかったりしておりましたが、それでも盛況です。

f:id:Tomoishiro:20201230063439j:plain

12月8日、夕焼け

夕焼けが綺麗だった、ただそれだけ。

f:id:Tomoishiro:20201230063603j:plain

12月15日、クリスマス前のデパート

この時期のデパートはウキウキしますね。子供向け玩具売り場が特に賑やかでした。ちなみに、遊戯王はクロアチアでも大人気。

f:id:Tomoishiro:20201230064335j:plain

f:id:Tomoishiro:20201230064358j:plain

f:id:Tomoishiro:20201230064326j:plain

f:id:Tomoishiro:20201230064516j:plain

そしてクリスマスへ

クロアチア含むヨーロッパの国々では、クリスマスは数週間かけてガッツリ楽しみます。日本のような正月モードへの切り替えが無いので、一月中旬くらいまでは余韻を楽しめます。

f:id:Tomoishiro:20201230065030j:plain

クリスマス動画

おわりに。最近YouTubeに動画を上げはじめました。ザグレブ市内のクリスマス直前の様子をレポートしたので、よろしければご覧ください。ちなみに、撮影日マジ寒くて、声がとぎれとぎれですみません。

www.youtube.com

クォーク質量の歴史

ご注意:「クォークて何?」な方は、ひとまず下記のWikipediaを先にお読みいただくことをお勧めします。簡単に言うと、電子などと並んで、我々の身の回りに存在する「物体」の最小構成部品とされている素粒子の一種です。

クォーク - Wikipedia

 

イントロ

何気な~くクォークのページを見ていて、ふと思ったこと。これまで、数多の努力が払われてきたのにも関わらず、クォークを単独で測定できたという報告はありません。この理由は、量子色力学の「色荷」や「閉じ込め」といったメカニズムで(一応)説明されています。にも拘わらず、たとえば上記のWikipediaを見ると、全6種類のクォークのデータがしれっと掲載されています。

 

ここで素朴な疑問「なんで知ってんだよ質量?」

 

いや、だって、単独での観測が不可能である以上、クォーク一個一個の質量も、本来は測定不可能な筈です。この点が気になったんで、今回はまず、クォークという素粒子が物理学の世界でどう扱われてきたのかを調べました。

調査開始

そんなわけで、大学の図書館のパソコンで、過去の"Particle Data Group"の年次会報をあさって、情報を整理してみました。この"Particle Data Group"というのは、世界の素粒子物理学者が共同で編纂しているデータベースです。今回は英語版Wikipediaのページに、年次会報の論文ソースがまとめられていたので、大変助かりました。

Particle Data Group - Wikipedia

大前提として、クォーク模型が提唱されたのは1963年、提唱者はMurray Gell-Mann(米国)氏です。従って、クォークという存在が認知されるのは、これ以後になります。

1980年代以前

確認できた年次会報の内容は以下の通りです。

  • 1965年…クォークという単語すら無し。載っているのは中間子等のみ。
  • 1970年…単体のデータは無し。理論予測としてのクォーク模型への言及はあり。
  • 1976年…クォーク単体のデータは無し。「数々の実験が行われたが、クォーク単体の観測に成功したという報告は未だ無い。」的な記述があった。このあたりから、クォーク模型に対する信頼度が上がってきた様子。
  • 1980~1984年…引き続き、クォーク単体のデータは無し。

1990年代

1992年の年次会報→確認できた範囲では、ここで初めて、全6種類のクォークがリストに掲載。たとえば、アップクォークの質量はMeV/c^2の単位で2~8、ダウンクォークの質量はMeV/c^2の単位で5~15と、かなりアバウト。それでも、遂にクォークが素粒子の一員として認められた様子。

2000年代

完全にクォーク模型が市民権を得ている印象。2006年の会報では、たとえばアップクォークの質量はMeV/c^2の単位で1.5~3.0、ダウンクォークの質量はMeV/c^2の単位で3~7と、大分誤差が小さくなってきた(算定方法は勉強不足につき不明…)。

そして現代

一気に跳んで、最新版である2020年次会報から抜粋。たとえばアップクォークの質量はMeV/c^2の単位で1.90~2.65、ダウンクォークの質量はMeV/c^2の単位で4.50~5.16とのことで、かなり高精度になっている。尚、この会報は日本の学術雑誌である"Progress of Theoretical and Experimental Physics"から出版されており、(おそらく)オンライン版は一般公開されています。つまり、誰でも読めます。添付図は最新版のクォーク質量のまとめ。

 

f:id:Tomoishiro:20201206213253p:plain

クォークの質量まとめ。データは"Particle Data Group"会報(2020年版)から。

クォーク質量の算定方法

さて、肝心の「なんで単独分離不可なのに個々の質量決められるんじゃい?!」問題ですが、、、、すみません、この内容は、マジで専門的すぎて、上手くまとめられません。かいつまんで書くと、

(1)陽子やパイ中間子など、「クォークの多体系」である粒子の質量なら、実験で測定できている。

(2)量子色力学では、「生の」クォークの質量はインプット未知数として取り扱われている。

(3)そこで、量子色力学にもとづいた数値計算を繰り返し、陽子やパイ中間子などの質量を再現できるような、生クォーク質量を、試行錯誤して同定する。

こんな流れで算定されている筈です。間違いや誤解を招く内容もあるかと思われますので、ご興味の沸いた方は、ご自身でも調べてみてください。